[火の見櫓慕情]
三河・遠州の「火の見櫓」百話。
「豊饒な物語の上に「火の見櫓」は立っていた。」
文、写真 内藤昌康
定価・3,150円(税込)
B6判/ハードカバー/272頁
地元の人に火の見櫓のことを尋ねてみると、意外なほど話が膨らんで驚くことがしばしばである。
登って怒られたとか、実際に叩いたことがあるとか、隣の家が焼けたとか直接的な話はもちろん、消防団の活動、地域の行事、風俗、気質、戦後の暮らし、さらには長年連れ添った妻や夫にまで話が及ぶこともある。そんな話を聞くと、余所者には特に思い入れのなかった地域が、俄然色鮮やかに見えてくる。
火の見櫓はただ漫然とそこにあるのではない。その土地の豊饒な物語の上に立っている。本書にはそんな無数の物語の、ほんの一部を集めてみた。
目次/懐かしさの意味、火の見櫓の歴史、消えゆく火の見櫓、残る火の見櫓、写真帖、三河・遠州の火の見櫓、火の見櫓の形、火の見櫓を建設する、郷愁を誘う火消しの用具 消防法被のこと、半鐘を鳴らす 〜相月にて、消失の意味−後書きに代えて−
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